校長室だより No.2

 

    人は、人を浴びて、人となす

 

今春は、何となく雨天・曇天の多いなと感じる春でしたが、今年は5月5日が「立夏」でした。

暦の上では、夏がやってきました。苗の植わった水田がちらほら・・・カエルの合唱も聞こえてきます。

熱中症等を気にしながらの学校生活となります。保護者や地域の皆さまも、ご自愛ください。

 

さて、先日、新入生歓迎遠足を実施しました。1年生から6年生まで75人が、8つの縦割り班を編成し、上級生が下級生を導きながら、「千草→西山→奥西山→室→千草」総距離約5kmを歩きました。途中、お寺やお宮で休憩をさせていただいたり、お弁当を食べたり、ちょっとしたゲームをしたり・・・、6年生がうまくリードをしてとても有意義な遠足になりました。

私は所用で、見送りしかできませんでしたが、出発式で「3つの『あ』」の話をしました。

「挨拶」 : 地域の方々に、爽やかな挨拶(お礼)を心がけましょう。

「安全」 : 交通安全・熱中症などに十分気をつけて帰ってきましょう。

「新しい発見」 : 友だちの、ふるさと『ちくさ』の、自分自身の「いいとこ見つけ」をしましょう。

 

早速、保護者や地域の方々から「子どもの声が響いて、うれしいわぁ。」「6年生にとてもやさしくしてもらって、喜んで帰ってきました。」などの意見や感想を寄せていただきました。児童たちも、地域の方々から挨拶を返してもらったり、道を教えてもらったり、「頑張ってなー」と声をかけてもらったりしたことがうれしかったと、感想を寄せてくれました。

子どもたちが地域の希望となり、また地域の愛情に包まれて子どもたちが成長できている現状をとてもうれしく思っています。表題の「人は、人を浴びて、人となす」という言葉(ある人権教育研修会で聴いた言葉)を思い起こす機会となりました。子どもたちは、子ども同士・学校・家庭・地域、とりまくすべての環境の中で、人を浴びて健やかにそしてたくましく成長していることを再確認できました。

長距離を歩いたことがなく、心配されていた保護者もいらっしゃいました。中には、朝、気が進まなかった児童もいたかもしれません。お弁当や多めのお茶を持たせていただき、家を送り出していただいた保護者の皆様、児童の長い列にご配慮いただいたドライバーの皆様、声をかけ温かく見守っていただいた地域の皆様、本当にありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

 

令和6年5月10日

                                                            千種学園

宍粟市立千種小学校長 上山昌秀

                                                                

 

※    以下に、4月のPTA総会で紹介した「アメリカインディアンの教え」を掲載します。

 

アメリカインディアンの教え

(Children Learn What They Live)   ドロシー・ロー・ノルト

 

子どもたちは、こうして生き方を学びます。

 

 批判ばかり受けて育った子は、

   人をけなすようになります。

 いがみあう家庭で育った子は、

   人と争うようになります。

 恐れのある家庭で育った子は、

   びくびくするようになります。

 かわいそうだと哀れんで育てられた子は、

   自分が哀れな人間だと思うようになります。

 ひやかしを受けて育った子は、

   はにかみ屋になります。

  親が他人に対して嫉妬ばかりしていると、

   子どもも人を羨むようになります。

  侮辱したりけなしたりされて育った子は、

   自分に自信を持てなくなります。

   励まされて育った子は、

   自信を持つようになります。

   寛大な家庭で育った子は、

   我慢することを学びます。

    ほめられて育った子は、

   感謝することを学びます。

    心から受け入れられて育った子は、

    愛することを学びます。

     認められて育った子は、

   自分が好きになります。

     子どものなしとげたことを認めてあげれば、

   目的を持つことの素晴らしさを学びます。

     分かち合う家庭で育った子は、

   思いやりを学びます。

     正直な家庭で育った子は、

   誠実であることの大切さを学びます。

     公明正大な家庭で育った子は、

   正義を学びます。

     やさしさと、思いやりのある家庭で育った子は、

   他人を尊敬することを学びます。

     安心できる家庭で育った子は、

   自らを信じ、人をも信じられるようになります。

     和気あいあいとした家庭で育った子は、

   この世の中はいいところだと思えるようになります。

 

 

校長室だより No.1

いま、力いっぱい! ~あしたに種をまこう~

 

 桜が満開の4月8日、令和6年度がスタートして1週間がたちました。

 児童たちの素直ですがすがしい生活態度を見ていると、とても心があったかくなりますし、保護者や地域の皆様に大切に育ててもらっている証だなと感じています。

 さて、私は、千種小学校の学校運営にあたり、次のようなことを考えています。

 

○「児童も教職員も明日も来たいと思える学校」にしたい

 「家庭・地域から信頼され、応援してもらえる学校」にしたい

 (1)児童: 明日も学校へ行きたいと思える学校

       ・一人一人の居場所があり、安心していくことができる学校

     ・勉強がわかりやすい、学ぶことが楽しい学校

     ・自分の目標(夢)を見つけ、努力することが楽しい学校

 (2)教職員: やりがいのある、働きがいのある学校

     ・児童の成長がうれしいと思える学校

     ・自分を活かすことのできる学校

     ・協働体制が組める学校

 (3)保護者: 安心で信頼できる学校

     ・児童の持って帰る話が楽しみな学校

     ・参観日や学校行事が待ち遠しい学校

     ・安心して相談できる学校

 (4)地域: 応援したくなる学校

     ・児童や教職員の様子がよくわかる学校

     ・児童や教職員がさわやかに迎えてくれる学校

     ・美しい環境の学校

 以上のような学校にしていくために、具体的に努力目標を設定し、みんな同じ方向を見つめて、実践を重ねていきます。

 

○「自他の命を大切にすること」「勉強をがんばること」を基盤に子どもを育てたい

 15名の新入生を迎え、千種小学校は児童数75名でスタートしました。児童たちは1つずつ学年が上がり、それぞれの学年ごとの、また新たな課題に挑戦し、成長を遂げていきます。

 子どもたちの毎日の学びは、1人1人の未来につながっていて、未来に「自分の花」を咲かせるための「種まき」だと考えています。仲間とともに、かけがえのない互いの命を大切に思いあいながら、「頑張る経験、感動する経験」をたくさん積んでほしいと願っています。

 そこで、本年度のみんなの合言葉を表題の「いま、力いっぱい!~あしたに種をまこう~」とし、児童・教職員みんなで確認しあいました。失敗をおそれず、「いま、力いっぱい!」それぞれの学年の課題に挑戦していってほしいです。そして、また1年後、互いの成長を確かめあい、喜びあいたいです。

 

 保護者、地域の皆様には、これからいろんな場面でご協力いただくことがたくさんあると思います。信頼され応援される学校にするために、教職員みんなで努力してまいります。子どもたちの健やかな成長のために、皆様のご理解とご支援をよろしくお願いします。

 

 

  令和6年4月12日

                         千種学園宍粟市立千種小学校長

上山 昌秀